任意整理の体験者 - 保証人となり多額の債務を背負うことに | 東京債務整理サーチ

保証人の返済義務を背負ったNさん

借金の理由は人様々ですが一番不本意な結果が返済の肩代わりです。代表的なケースが連帯保証人になります。債務者が借金を放置すると返済義務は保証人に生じます。また、債務者が保証人付きの借金を債務整理した場合についても同じです。
今回の相談者も連帯保証によるトラブルが原因でした。東京都在住のNさんは失踪した友人に代わり借金を背負うことになり、返済が困難で弁護士事務所を訪れることになりました。残念ですが保証人になった以上、何らかの手段で借金を完済しなければなりません。

《Nさんの基本データ》

個人情報	東京都在住　35歳　女性　OL　月収25万円
債権情報	借入件数2件　総額220万円
過去の返済状況	不明
現状のトラブル	債権者は保証人であるNさんに返済を請求した

債務整理の始まり

Nさんが得ている情報は債権者の名称と借金の総額だけです。債権者はNさんに220万円を一括で返済するよう求めましたが一般企業に勤めるOLには難しい要求です。債務整理するにあたり情報が少なすぎるため、まず弁護士は情報を集めることから始めました。

原則的に取引経過の開示請求は債務者本人の同意がなければ実行できません。しかし、返済義務がNさんにある以上、保証人にも債務者と同じ権利が発生します。債権者は保証人の代理となった弁護士の請求に応じる義務があるのです。

債権者から開示された取引経過を確認すると過去の返済履歴と利息の設定が明らかになりました。この情報をもとに弁護士は、Nさんの債務整理を任意整理で解決する方針を定めます。つまり、利息の設定が法定利息を上回る利率で契約されていたため、借金の減額が可能であると判断したのです。

利息の引き直し計算と返済計画

引き直し計算は過去の返済期間と利息を基準にして処理します。法定利息を上回っている現在の利息を適正な利息設定に戻し、初回の返済までさかのぼって再計算し直せば本来の借金残高を算出することが可能です。高い利息で長い間返済を続けていればその分だけ減額できる可能性も高くなるのです。

《取引経過を開示した結果》

項目	借入金	利息設定	債務残高	返済履歴
商工ローンA社	2,000,000円	23.6％	1,116,000円	49回
商工ローンB社	2,000,000円	23.2％	1,080,467円	48回
合計	4,000,000円		2,196,467円
月々の返済額	98,000円

《弁護士が引き直し計算した結果》

項目	債務整理前	利息	⇒	債務整理後	利息
商工ローンA社	1,116,000円	23.6％		292,880円	15％
商工ローンB社	1,080,467円	23.2％		300,040円	15％
合計	2,196,467円			592,920円
残り返済回数	1回（一括請求）			36回（3年払い）

利息を法定利息の15％に戻して過去の返済履歴を引き直し計算すると適正な債務残高は592,920円になります。総額で160万円近く減額することができました。これを3年で返済する計画を立て弁護士は債権者に交渉しました。
債権者は利息の設定を18％に引き上げることを条件に和解が成立し、弁護士が組み立てた返済計画を承諾したのです。Nさんには毎月2万円ずつの返済義務が残りましたが、大幅な借金減額を果たすことができ最悪の事態を回避できたと言えるでしょう。

保証人ほど恐ろしいものはない

《任意整理の和解内容》

債務総額	592,920円
利息（年利）	18％
毎月の返済額	21,600円
返済回数	36回（3年）

Nさんのコメント

借金は怖いですね。保証人ほど恐ろしいものはないと実感しました。
弁護士さんのおかげで最悪の事態は避けられましたが今考えても背筋が凍る想いです。
ローン会社から220万円を請求されたときドラマを観ているようでした。不思議と涙も出ず抜け殻のような1週間を過ごして夜逃げも考えましたが踏みとどまって良かったです。弁護士さんには感謝の言葉しかありません。
任意整理から2年が経過して残りの借金は20万円を切りました。今度のボーナスで一括返済しようかと考えています。借金が原因で人生を棒に振らず済んで安心しています。完済したらあらためてご連絡させていただきますね。