任意整理をおこなうには借金問題の法的専門知識が不可欠であり、貸金業者との交渉力が必要になります。
そのため、具体的に手続きや処理を進めていくにあたり、専門家のアドバイスを受けることでスムーズな解決が期待できます。
任意整理の専門家として頼りになる存在が司法書士です。借金問題のプロは弁護士だけではありません。
基本的におこなう業務は弁護士と変わりません。任意整理に特化して考えると司法書士のほうが専門性が高い場合もあります。
ただし、全ての司法書士がプロであるとは限りません。“任意整理に強い司法書士”を選択することが重要です。では、任意整理に強い司法書士はどのような事務所なのでしょうか。
任意整理のプロ集団とは
司法書士事務所の中には、借金問題だけに専門特化した事務所があります。これらの事務所は、高い専門知識を持っており、債務整理の受任件数も多いため、交渉や手続きにも慣れています。また、司法書士だけでなくスタッフ全員が借金問題に強く事務所全体が一丸となって債務整理を取り扱っています。
これらの事務所はホームページにも借金問題に関する情報や実績なども積極的に公開していますので、専門家選びの一つの指標になります。
また、大手の法務事務所になると、司法書士の数も10人を越えて、営業範囲も全国対応している事務所があります。
一人ひとりの司法書士の任意整理における実績や経験値が高いので、有効なアドバイスも貰えることでしょう。借金問題を専門に扱うこれらの事務所は任意整理における「プロ集団」といっても大げさではありません。
丁寧な面談をおこなう
電話やメールでの簡単な相談をおこなった後は、実際の面談に移ります。その場で、どの程度詳細な面談をおこなうかで事務所の姿勢が分かります。
依頼者側の立場に立って親身になって解決にあたる事務所は、当然の事ながら、ある程度時間を掛けてじっくりと依頼者の話しを聞きます。
そして、問題点を洗い出し、依頼者に適した債務整理の手続きであったり、費用や解決の期間に関しても道筋を示してくれます。
但し、依頼者側が何らかの事情で面談を希望しない場合は、電話・メールだけでも対応をおこなう専門家もいます。
また、債権者数も少なく手続きが簡単な任意整理の案件の場合は、特に面談を必要としない場合もあります。その場合は、依頼者が面談を希望するかしないかで面談の有無が決定されます。
面談時には、司法書士から任意整理に関しての解決法が示されますが、分からない点やリクエストがあれば、遠慮なく相談する事が必要です。
事務処理スピードが早い
任意整理に強い法務事務所は、その事務処理も早いのが特徴です。任意整理の受任後は、すぐに貸金業者に対して「受任通知」を送付します。これにより、取立・催促はストップします。
さらに、貸金業者に対して取引履歴の開示を請求し、利息の引き直し計算をおこないます。そして、過払い金があれば請求をおこない、借金の減額交渉をおこないます。これらの一連の事務処理から交渉までが、専門家であればスピーディーに進めてくれます。
司法書士だけでなく、事務所のスタッフ全員が一連の業務に慣れているためで事務処理スピードが早いのです。
貸金業者との交渉に強い
任意整理では、貸金業者への過払い金請求と債務減額の交渉が必要になります。ここで、経験豊富な専門家であれば交渉相手である貸金業者ごとに、その対応方法や担当者の特徴などの情報を持っています。そのため、交渉を始める前から最も良い落とし所が分かるものです。
しかし、これが任意整理をあまり扱ったことがない司法書士の場合は、相手のペースに巻き込まれ交渉もスムーズに進みません。その結果、貸金業者の提示する示談に応じてしまうという事もあり得ます。
任意整理は、このように貸金業者との交渉力が必要な債務整理の手続きなのです。
司法書士と弁護士に依頼した場合のメリット、デメリット
司法書士事務所で借金問題を扱う専門家は、フットワーク良くスピーディーに対応してくれるのが特徴です。さらに、費用面でも安価にサービス提供をしている事務所も数多くあります。また、弁護士事務所よりも費用面において平均すると安く提供している事務所が多いです。これらはトータルで見ると大きなメリットと言えます。
また、デメリットとしては、司法書士が代理人となって扱うことができる金額が低いという事が挙げられます。
140万円を超える金額の案件は、司法書士は扱うことができず弁護士のみが受任できます。但し、この140万円というのは、過払い金の場合には債権者1社につき140万円までの金額という意味です。借金総額ではありません。
そのため、1社あたり140万円を超える多額の過払い金がある場合には、司法書士への依頼は適していません。
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