【夜逃げ屋事情 2014年版】夜逃げする人は債務者だけではなかった。DV・ストーカー被害者が増加中

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夜逃げ事情の変遷!今どきの夜逃げはDVやストーカー被害から逃げる人たち

夜逃げ屋といえば1990年代に映画シリーズも作られた、夜逃げを手伝う会社であるが、その映画の元になった夜逃げ業者と言うのは当時からありました。

夜逃げそのものはもっと昔からあったわけですが、仕事として夜逃げを請け負った業者が出没し始めたのは、映画『夜逃げ屋本舗』シリーズの作られた頃からでしょう。


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当時はバブル景気が崩壊し、多重債務者が社会問題化していましたので、借金苦に夜逃げをする人も多かったわけです。

あれから20年以上の月日が流れました。元祖夜逃げ屋と言われた夜逃げ業者は、すでにありませんが現在でも夜逃げ屋は日本全国に実在します。

しかし、仕事の内容は変わってきていて、借金から逃れるために夜逃げ屋を利用する方は減ってきているようです。

現在夜逃げ屋を利用する顧客は、DV夫から逃げたい妻とか、ストーカーから行方をくらましたい女性など、別の社会問題が原因で夜逃げ屋利用する顧客が主流になっているようです。

多重債務者が夜逃げしてもメリットは無かった

EscapeEscape / i_yudai

夜逃げ屋の顧客に借金苦に悩む人が減ったのは、多重債務者が減ったからという理由ではありません。

相変わらず借金を抱えて苦しんでいる人は少なからずいるのですが、そうした人たちが夜逃げをしなくなったのは、夜逃げをしても借金取りにすぐ居場所がバレてしまうからです。

確かに1990年代は夜逃げに成功して人生をやり直した方もいたかもしれませんが、それは逆に言えば債務者に夜逃げをされ、借金を踏み倒された債権者がいたという事になります。

そんな煮え湯を飲まされて、債権者たちが同じヘマを繰り返しているわけはありません。合法、非合法を問わず金融会社や債権回収業者は、逃げた債権者を地の果てまで追い詰めるノウハウをこの20年で会得しているのです。

もともとこの日本は国土が狭い上に戸籍制度がしっかりしており、普通の一般市民が何の痕跡も残さずに、住所を隠して第二の人生を歩むのは到底無理な話です。

今も昔も夜逃げをする場合、追っ手(債権者)から行方をくらますには、住民票などの住所移転手続きを一切しないで別の場所に移り住むことになります。

そうなると選挙権はなくなりますし、保険などの公的サービスも受けられなくなってしまうわけです。

銀行口座一つ作るのにも、あるいはビデオレンタル店の会員になるのにも、身分証明書が必要な日本で、夜逃げした先の住所ではない身分証明書しか持たない夜逃げ逃亡者は、非常に生活しにくい状況に追い込まれてしまいます。

まぁ、本気で闇社会に身を投じ、二度と表社会に戻らないだけの覚悟があれば、アングラの偽造した身分証明書というモノもないわけではありませんので、今でも夜逃げは可能かもしれません。

しかし、そんな世界に足を踏み入れたら真面目に借金を返した方がマシだったという結果になる可能性の方が高いでしょう。

夜逃げが減った理由は債務整理を選ぶ人が増えたため

多重債務者が夜逃げに走らなくなった最も大きな理由は、自己破産や任意整理、あるいは個人再生など、債務整理の方法が一般に広く知れ渡ってきたことでしょう。

自己破産は夜逃げ全盛の1990年代でもありましたが、その他に2000年代に入ってから民事再生など債務整理のしかたも柔軟な方法が増えました。

自分の経済力と借金額に合わせて債務整理の方法が選べるようになったことで、全てを捨てて夜逃げするより、自分の借金と向き合う人が増え、夜逃げ屋を利用する人が減ったという事です。

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