お金に困っても手を出しちゃダメ!【クレジットカード現金化】はハイリスク金融

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クレジットカードの現金化とは

クレジットカード現金化という言葉を聞いたことがありますか?

「クレジットカードを持っていれば、現金が簡単に手に入る」という謳い文句で町中に看板を出したり、夕刊紙に広告を出したりしています。かなり怪しい業者のようですが、果たして実態はどのようなものでしょうか。

お金に困ったときには利用して良いものでしょうか?

ちなみに、この貸金サービスの正式名称は「クレジットカードのショッピング枠の現金化」ということです。


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クレジットカード現金化のサービスが世間で騒がれるようになったのは2009年頃からです。

その具体的な融資方法は刑法的には違法スレスレです。完全な違法行為として検挙されたケースもあります。

そのため、業者は警察の手が伸びる度に何度も手口を変えて検挙から逃れようとしています。

いろいろと新たな手口で今も存続するクレジットカード現金化ですが、警察は違法な貸金サービスであると捉えています。願わくばこれらの業者を消滅させたいと考えているようです。

国民生活センターにも多くの苦情が寄せられています。

「クレジットカードの現金化を申し込んだが不審なのでやめたい」など、クレジットカードの現金化に関する相談が寄せられています。

クレジットカードの現金化は、クレジットカードのショッピング枠を利用して、消費者に安価な商品を高額で購入させた後、「商品買取り」等と称して売値の何割かに相当する現金を消費者に渡し、業者はカード会社から立替金を得る、という仕組みです。また、最近では、キャッシュバック付商品を購入させ、商品とともに現金を渡す「キャッシュバック方式」と呼ばれるような方法もあります。
 
一見、通常の商品売買のようですが、消費者にはクレジットカード会社へのショッピング枠利用分の返済義務が残っているため、渡された現金と立替金との差額を実質的な利息と捉えれば、高金利の借金をしているのと何ら変わりません。また、クレジットカードの現金化はクレジットカード契約に違反する行為でもあります。クレジットカードの現金化(各種相談の件数や傾向)_国民生活センター

このように悪質な手口を使う業者も多いようです。

しかし、今主流になっている融資方法は刑法には抵触していないため、警察もなかなか手を出せないでいるのが現状なのです。

そもそもクレジットカードの現金化って何?

クレジットカードの現金化とは、利用者にとって良いサービスかと言われると、これまで読んで頂いて分かるように必ずしもYESとは言えません。

では、一体どんな人がこのサービスを利用しているのでしょうか?

もし、手持ちにお金が無くて困っている場合には「カードでキャッシングする」、「消費者金融から借りる」など第三者の貸金サービスを利用する人が多いと思います。

しかし、多重債務に陥ってしまい貸金業者の融資枠が無くなってしまった場合はどうでしょうか?

市中金融から借りれなくなったら、次は街金やヤミ金など違法な貸金業者が頭に浮かんで来ると思います。しかし、さすがにこれらの業者から借りてしまったら厳しい取立てにより借金地獄が待っているのは誰しも想像できます。

そんな時に、消費者金融の融資枠は無くなったけど、闇金には手を出したくないという、微妙なボーダーライン状にいる人が利用してしまうのがクレジットカード現金化です。

ショッピング枠を巧みに使った貸金システム

クレジットカードには、買い物をするときに使える「ショッピング枠」と、現金を借りられる「キャッシング枠」というものが設定されています。そして、利用金額が大きくなって返済に滞りがなければ信用度がアップし使用限度額が拡大されていきます。

しかし、多くのクレジットカードは最初のうちはキャッシング枠が少なかったり、あるいは信用の無いうちはキャッシング枠がゼロだったりするカードもあります。

持っているカードにキャッシング枠が付いていなかったり、すでにキャッシング枠を使い切ってしまって、ショッピング枠だけが残っている人もいます。

このすき間に着目した業者が「カードのショッピング枠を最大限に活用して現金を調達しませんか?」という名目で作った貸金サービスがクレジットカード現金化なのです。

現在の主流は「買い取り方式」というカードで買わせる手口

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クレジットカードの現金化は、業者が持っている安い商品(CD-ROMなど)をショッピング枠を使って高い値段で購入させるというのが今までの一般的な方式でした。

しかし、現在主流になっている現金化の方法は「買い取り方式」と呼ばれるモノです。

現金化業者の店舗に行ってみると、多くの場合、お客に安心感を与えるために接客は女性店員が対応します。そして、女性店員は事務的に「今からカードを使って○○を買ってきてください」という指示を出します。

その「○○」は人気のある電化製品だったり、金券だったりする事が多いのですが、現在のトレンドは新幹線や飛行機のキップが多くなっています。

現金化業者によっては買い物をする店まで指定することもあります。言われるままに買い物をしてカード決済して戻ってくると、その商品を現金化業者が買取るというシステムになっているわけです。

新たな手口は古物商的発想?貸金システムのすき間産業

指定された品物をカード決済で手に入れ、それをカードの現金化業者が買取ってくれるのですから、客の手元には現金が手に入ります。つまりクレジットカードのショッピング枠を利用して現金化できたことになるわけです。

もちろん現金化業者は、10000円で買った物を10000円で買取ってくれるわけではありません。実際にカード決済で支払った金額よりも安い価格で買取るわけです。この差額が現金化業者の利益となるわけですね。

建前としては現金化業者は、客から不要なものを買取ったという古物商的(金券ショップやリサイクルショップ)な立ち位置で営業しているのです。

客は「カードで買い物をしたけれど、やっぱり不要になった。捨てるのは惜しいから古物商に売り払った」というのが建前です。これはこれで立派に商取引が成立しているため違法性はないのです。

しかし、弁護士団体が言うには、直接金の貸し借りはなくても、このシステムは貸金業そのものだという指摘もあります。

つまり、ブラックに近いグレーゾーンのサービスであるとして消費者庁、警察、弁護士などから目をつけられているのです。

金と物の流れに違法性はないが、クレジットカードの利用規約には違反

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そんなわけで、取引に違法性はないとされているクレジットカードの現金化ですが、実はクレジットカード会社の利用規約にはしっかり違反しています。

ほとんど全てのクレジットカードは、その利用規約にショッピング枠を換金目的で使用することを禁じています。

したがって、利用者はカード会社にクレジットカードの現金化業者を使ったことがバレると、すぐにカードの利用は停止されます。その上、残高の一括返済を求められる規則になっています。

クレジットカード現金化を利用するリスク

クレジットカード現金化を利用するリスクは何もカードの利用を止められるというだけではありません。

前述した、国民生活センターには以下の様な苦情が寄せられています。

  • ショッピング枠現金化での融資を申込み、指示どおり電子部品を購入して送ったのに、予定の半分しか融資されない。どうしたら良いか。
  • クレジットカードの現金化を広告する業者に、今日中に2万円を借りたいと思い、カード番号と有効期限を電話で伝え申し込んだが入金されない。申込みを撤回したい。
  • クレジットカードのショッピング枠を利用して融資を希望したが、それとは別に銀行口座に身に覚えのない4万8,000円が振り込まれていた。これは押し貸しではないか。今後どうしたらよいか。
  • 現金が必要で、クレジットカードの現金化をしてくれる事業者に申し込みをした。自分は6万円必要なのだが、クレジットカードの支払いは9万円になるといわれた。思っていた金額と違うので解約したい。etc
  • そもそも、このようなグレーな「貸金システム」を運営している業者の中には、元ヤミ金業者も含まれていると言われています。

    そのため、平気で悪質な融資をおこなう業者が多数潜んでいます。

    「いくらお金に困ってもクレジットカード現金化は利用しないほうが賢明です」というのが、ここでの結論です。

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