
債務整理においては、債務者が持つ財産は保全されることがほとんどですが、自己破産の場合は、債務者の持ち家や自動車などの資産は差し押さえられることになります。任意整理や個人再生などと違って自己破産では、手持ちの財産(資産)を清算する代わりに借金を帳消しできる制度のためです。
ローンが残っている住宅はどうなるか?
住宅ローンの返済が残っている持ち家の場合は、通常はその持ち家に抵当権が設定されていますので任意整理は不可能です(但し、任意売却ができる場合あり)。債務整理をおこないたいけど持ち家を手放したくないという場合は、個人再生を選択することになります。これは、金融機関(債権者)と交渉の上、返済額の圧縮や返済期間の延長などを再検討してもらう方法となります。基本的に借金返済は続けなくてはなりませんが、財産を保全できるメリットがあります。
ローンで購入した自動車は所有権留保付き
任意整理をおこなう際に、もしローンが残っている自動車を持っていたら、その場合には所有権留保と言って自動車はローン会社に引き上げられてしまいます。(ローンの返済が完了するまで所有権がローン会社にあるので)もし、どうしても仕事や日常生活で自動車が必要な場合には、任意整理の対象から自動車を外しておくことが必要になります。
自己破産以外の債務整理は、その債務を債権者に対して返済し続けることが前提になりますので、債権者も仕事上で必要なモノまで取り上げるケースは少ないでしょう。
- 債務状況は人それぞれです
- 債務整理には、自己破産、任意整理、民事再生、特定調停と4つの方法があります。どれに該当するかは、個人が抱える債務状況によって変わります。また、どの財産を守りたいか?どのような解決方法を取りたいか?により選択する債務整理法は違います。まずは、自分が置かれた状況を法律の専門家に相談することからスタートしませんか。最も適した債務整理の方法を提案してくれることでしょう。